(太陽発電衛星研究会)宇宙太陽発電システムシンポジウム講演要旨集目次

第8回 講演要旨集(2005年9月:帝京大学[八王子]) 150頁

シンポジウム開催当時の写真

特別セッション

  1. 「SunSat Corporation」
     Darel Preble (Chair, Space Solar Power Workshop, Georgia Institute of Technology)
  2. 要旨本文

  3. 「A comment for Darel’s presentation」
     Hiroshi Matsumoto (RISH, Kyoto University)
  4. 要旨本文

  5. 「<宇宙港湾事業の民営化>日本の新しいスペースポート構想」
     越智一志(宇宙工房)
  6. 要旨本文

  7. 「太平洋スペースポート構想」
     松本信二(CSPジャパン㈱)
  8. 要旨本文

  9. 「The Importance of the Coming Private Space Travel Industry」
     Patrick_Collins (Azabu University)
  10. 要旨本文

  11. 「Recent Topics on Space Tourism」
     Misuzu_Onuki (Asia Liaison, Space Frontier Foundation)
  12. 「宇宙旅行をとりまく動向~コリンズ講演へのコメント~」
     大貫美鈴(米「スペース・フロンティア・ファウンダーション」アジア圏代表)
  13. 要旨本文(和文)  要旨本文(英文)

  14. 「コリンズ講演へのコメント」
     伊藤博(帝京平成大学_情報学部)
  15. 要旨本文

  16. 「総合討論:「民営化」のかけ声に、忘れた「常識」を思い出す」
     長友信人(GIAS)

一般セッション

  1. 「マイクロ波ビーム強度の空間勾配による宇宙プラズマ擾乱に関する計算機実験」
     中本成洋(京都大学_生存圏研究所)
  2.  SPS運用において考慮しなければならない問題として、地球の電磁環境へのマイクロ波の影響評価が挙げられる。本研究では、マイクロ波ビームと電離層プラズマとの相互作用のひとつであるマイクロ波ビーム強度の空間勾配によって生じるポンデロモーティブ力による電離層プラズマ密度擾乱について、計算機実験により定量的解析を行った。本計算機実験では、マイクロ波ビームがプラズマ中を伝搬する場合を考え、そのビーム断面を2次元モデル空間として設定した。本実験により、ポンデロモーティブ力によりプラズマに密度変動が生じ、最終的にある定常密度分布となることが分かった。本講演では、本計算機実験結果とその考察について発表する。

    要旨本文

  3. 「5.8GHz帯マグネトロンの基礎特性評価」
     福谷景;三谷友彦;篠原真毅;松本紘(京都大学_生存圏研究所)
  4.  無線電力伝送システムの送電器としてのマグネトロン研究は、我々の研究グループを中心に位相振幅制御マグネトロンの開発研究、ノイズ低減手法に関する研究等が行われてきたが、それらは主に2.45GHz帯のものであった。しかし、近年のSPS設計の多くは5.8GHz帯の周波数で検討されており、これらのSPS設計を具体化するためにも5.8GHz帯マグネトロンの研究は必要である。本研究では、その基礎研究として5.8GHz帯マグネトロンの特性(陽極電流-陽極電圧特性、陽極電流-発振周波数特性、周波数スペクトル、DC-RF変換効率等)の測定を行った。本発表では、その測定結果並びに2.45GHz帯マグネトロンとの比較評価について報告する。

    要旨本文

  5. 「SSPS用高出力増幅器およびアクティブ集積アンテナの熱分布特性」
     七日市一嘉;川崎繁男;篠原真毅;松本紘(京都大学_生存圏研究所)、田中孝治;佐々木進(ISAS/JAXA)、飯田雄介;仁木洋平(東海大学大学院);川崎春夫;吉田裕之;香河英史;久田安正;森雅裕(ISTA/JAXA高度ミッション研究センター)
  6.  SSPSへの適用を目的とした、高出力半導体増幅器を有するアクティブ集積アンプアンテナの試作研究を進めている。高出力を効率良く得るためには能動素子から発生する熱の廃熱処理が重要となる。本研究では、熱的設計に有用な情報を得ることを目的として、試作された高出力増幅器およびアクティブ集積アンテナの温度分布の基礎的測定実験を行ったのでその結果を報告する。

    要旨本文

  7. 「マイクロ波送電用均一励振フェーズドアレイのビーム最適化」
     橋本弘蔵(京都大学_生存圏研究所)、新島壮平(三菱重工業㈱)、江口将史(三菱電機㈱)、松本紘(京都大学_生存圏研究所)
  8.  SPSにおいては、サイドローブを減らし、受電点への高効率伝送を実現するために、送電アンテナに10dBのガウス型の電力分布もたせる。送電部をそのように設計すると放熱の難しい中央部で最大の電力となり発熱も多く、温度上昇をもたらすことが問題となっている。マイクロ波送電にとっては伝送効率(送電電力に対するアンテナ面での受電電力の割合)も重要な要素であるため、低サイドローブかつ高伝送効率を満たす均一励振アレイアンテナの最適化を行った。また、二方向への送電に対応したマルチビームの形成も行い、良好な効率で最適化が行えることを示した。

    要旨本文

  9. 「SSPS用ビーム制御方式の検討」
     仁木洋(東海大学_大学院電子情報研究科_電気電子工学専攻)
  10.  SSPS実現の為には、送電用アンテナ部の軽量化、小型化、高度なビーム制御機能が要求される。ビーム制御の方式として、地上のレクテナ(受信アンテナ)側から送信されるパイロット信号を受信し、その方向に対して正確にマイクロ波ビームを向ける方式が有望である。本研究では、SSPS送電部に搭載を目的とした、ループ発振器型ミキシング方式を用いたレトロディレクティブ集積アンテナの試作試験を行った。AIA(アクティブ集積アンテナ)の回路動作として、SG(信号源)より2.9[GHz]信号の入力を行い、PS(移相器)により位相変化させループ発振器内部に供給する方式を採用している。このときの位相変化分は、ある角度から信号が入射された質問波として見立てることができる。ループ発振器内に入力された信号は、局部発振周波数8.7[GHz]とミキシングされ、差周波数である5.8[GHz]の出力が得られる。回路に入力された2.9[GHz]の信号は、位相情報が反転し、5.8[GHz]の応答波としてアンテナより放射される。

    要旨本文

  11. 「SSPSのための太陽電池アレイ技術の課題」
     趙孟佑(九州工業大学_宇宙環境技術研究センター)、香河英史(ISTA/JAXA高度ミッション研究センター)
  12.  宇宙太陽光発電システムを実現するためには、衛星バス電圧を高電圧化する必 要がある。しかしながら、高電圧バスでは宇宙環境にてプラズマ干渉や帯電による放電が懸念され、放電発生メカニズムの解明と抑止技術の開発が必須である。本講演では、静止軌道上の実用型SSPSの発電・送電電圧の検討と高電圧バス技術実現に向けた各種基礎実験の結果について報告する。

    要旨本文

  13. 「テザー型SSPSのテザーをアクチュエーターとして用いた制御のいろいろ」
     藤井裕矩;古賀雄介;渡辺武夫(首都大学東京、東京都立科学技術大学大学院)
  14.  Some control methods are introduced for tether applied as an actuator to control the tethered space solar power satellite (SSPS). The control methods include 1) Attitude control by actuating tensions of tether connected to a bus mass; 2) Vibration control of the solar panel by actuating tension of tether connected at fixed points of the solar panel. Results of analytical, numerical, and experimental analyses are presented and possibility of the control employed with tether as an actuator is discussed being applied to control the tethered SSPS.

    要旨本文

  15. 「重力傾斜安定型SPSにおけるシステムダイナミクスの検討」
     石村康生(北海道大学_大学院情報科学研究科)、樋口健;佐々木進(ISAS/JAXA)
  16.  複数テザーによって支持された重力傾斜安定型SPSに対して、構築途中及び運用中のシステムダイナミクスについての検討を行った。構築途中の姿勢安定性について、テザー長を構築初期から伸展させた場合と、テザー長を構築段階に応じて伸展させる場合についての検討を行った。その結果、構築初期段階においては,姿勢運動が不安定になることを示した。また、運用中のシステムダイナミクスについて、軌道運動に伴った構造の熱変形と姿勢運動の連成に注目して解析を行った。その結果、発送電部の熱変形によって、テザーがたるみ、姿勢運動と構造振動が連成する可能性があることが明らかになった。

    要旨本文

  17. 「薄膜構造物への衝突実験~ピエゾ素子を用いた2次デブリの検出~」
     齋藤陽亮(東京理科大学)、古性俊慶;田中真(東海大学)、田中孝治;佐々木進(ISAS/JAXA)
  18.  衛星の大型化・高性能化に伴い、これからの宇宙の大型構造物の多くは様々な薄膜材料を用いた構造様式になると考えられる。特にSPS(太陽発電衛星)のような大型構造物では、年々深刻化してきているスペースデブリの存在は無視できず、デブリによる破壊の回避は不可能であると考えられる。薄膜の使用に当たっては、デブリによる破壊の形態を知りその被害を最小限とするような設計が必要である。主要な破壊プロセスとして、太陽電池のような薄膜材料に超高速飛翔体が衝突した際、材料の破壊と同時に、破壊された材料自体が二次デブリを発生し、下流の回路部や送信部を破壊する事が考えられる。本研究では、ピエゾフィルム(圧力感度センサー)を用いて、薄膜構造物からの二次デブリの検出を試み、発生する二次デブリの速度、拡がりなどの知見を得て、二次デブリによる下流側の物体の破壊を明らかにすることを目的とした実験を行った。

    要旨本文

  19. 「宇宙発電用屋内実験内施設(Ⅲ)」
     村上寛;岩田敏彰;阿部宜之;戸田義継(AIST)、斉藤賢一(日本獣医畜産大学)、奥田俊郎(三和農林)、工藤勲(北海道大学_大学院工学研究科)
  20.  マイクロ波と生態系との影響について屋外施設と屋内施設による照射実験を進めている。屋外で観測された植物の成長促進は土壌の温度と植物自身による効果と推察しているが、これを分離しなければ成長のメカニズムを解明できない。このため屋外施設では制御できない環境を一定にした条件で実験ができる屋内施設で実験を行った。その結果屋外と同様の成長促進が観察された。しかし屋内施設は基本的には水耕栽培であるが模擬土壌に用いたウレタンの温度上昇が計測されたことにより、両者の効果を分離することができなかった。したがって植物の根の温度上昇が生じない構造に改良して照射実験を進めている。これらの結果について報告する。

    要旨本文

  21. 「宇宙電力の需要推測:宇宙電力ビジネスのガイドライン作成に向けて」
     長友信人(GIAS)
  22.  アメリカのリファレンス・システムでは電力は地上電力網に接続することが前提とされていた。「いつ宇宙発電システムは実現するか」を主題としたわが国での検討でも同様な電力需要を前提に技術開発シナリオをたてると石油枯渇が現実となる時期と一致するのである。これではダイナミックな世界経済と世界環境の変化に対応できない。より現実的な太陽発電衛星を検討すると、供給できる電力は先進工業国が求める電気の質(電圧や周波数の安定度)と量(時間も)には及ばない。それでもかまわないと言って宇宙電力を実際に購入して消費する顧客を探さなければ実証システムは実現しない。宇宙電力の需給関係を決める因子は複雑で、現実社会では選択の余地がないこともある。これはもとより筆者の能力を超えているが、憶測と推測でその枠組みを想定して成立しそうな実証システムを追求したい。

  23. 「最近のSSPSに関するUSEFの取り組み」
     三原荘一郎;斉藤孝;小林裕太郎;金井宏(USEF)
  24.  USEFでは経済産業省および同省関連団体からの委託を受けて、SSPSに関する調査研究を行ってきた。USEFにおけるこれまでの取り組み内容および現在の取り組み状況について説明する。現在、「太陽光発電利用促進技術調査」として無線送受電技術検討、安全性・環境性適合性等の検討を実施中である。調査では、太陽光発電を新エネルギーの有力な候補としてとらえ、それを有効活用するための無線送受電技術の検討を行い、発展的応用分野としてとしての宇宙太陽光発電を位置づけ検討を行っている。また、平成16年度では試作フェーズドアレイパネルの組み合わせ総合動作試験も実施し、平成17年度はレクテナアレーについての試験/解析を実施する予定である。

    要旨本文

  25. 「JAXAにおける宇宙太陽光利用システム(SSPS)研究概要」
     森雅裕;香河英史;藤田辰人;吉田裕之;斎藤由佳(ISTA/JAXA高度ミッション研究センター)
  26.  宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、委員会/ワーキンググループ形式によりマイクロ波方式SSPSおよびレーザー方式SSPSに関するシステム総合研究を実施しており、システムコンセプト、技術課題、実証シナリオ、経済性等の検討を行っている。また、技術開発ロードマップを作成し、段階的に行われるべき技術実証計画に関する検討や地上で実証可能である主要要素技術の試作試験等を継続して実施している。本講演では、システム総合研究の最新の内容を中心に、JAXAにおけるSSPS研究の現状および今後の展望等について示す。

    要旨本文

  27. 「新しいタイプのテザーSPSの検討」
     佐々木進;田中孝治(ISAS/JAXA)
  28.  発送電一体型パネルを4隅のテザーで吊った2MW級テザーSPS(9,500モジュール構成、100mx95m, 45トン)を一つのユニットとし、ユニットの辺部をラッチして連結することにより規模を自由に拡大することができる新しいタイプのテザーSPSを検討した。625基のテザーSPSを正方形状に結合し一辺2.5km程度の大きさにすれば、出力1GWの実用型SPSを構築することができる。このテザーSPSは以下のような特長を持っている。(1)能動的な姿勢制御が不要、(2) モジュールは構造的にも電気的にも等価なので低コストの大量生産が可能、(3) 各モジュールからの熱放射により排熱が可能、(4) ユニットは構造的にも電気的にも全く同じなのでユニット単位での保守・交換が可能、(5)建設に有人活動が不要、(6) 現実的な規模の軌道間輸送システムで輸送可能、(7)健全性を確認しながらの着実な建設が可能、(8)SPSユニットのスケールモデルのミニチュア版(20m四方規模のパネル)で近未来に軌道上実証実験が可能、(9) 他の通信インフラ、地球観測インフラも同形状のテザーパネルで統一し異なる機能のパネル接続を行なうことにより静止衛星軌道を有効に利用することが可能、(10)ユニット単位で資力とエネルギー事情に応じた各国間の分担投資が可能

    要旨本文